短編ログ | ナノ
真っ暗闇で息継ぎもできずに

俺って面倒なやつだと思うでしょ。
僕は思うね。でも、嫌われたくないから言えない。不機嫌そうに黙りを決め込むしかできない。彼女が友達と遊ぶのもなんだかいや。お前には俺だけでしょって言いたい(言えたことないけど)俺にはお前だけなのにずるいって思う。
別れにくくしたい。
僕はお前から離れるつもりはないのに、お前は僕からいつだって離れることができるの。なんかやだ。何とかして繋いでおかないとさ、いつか逃げちゃうんじゃないかって不安になる。逃げられるとか考えただけで死にたくなる。
お前が他の人と楽しそうなのが気に食わない。醜い嫉妬だと自分でも思うけどね。でもどうしようもないんだ。僕の心は、君のことを繋ぎ止めておきたくて仕方がない。ねえ、今どこにいるの?ねえ、今だれといるの?今日は何時に帰ってくるの?次の休みいつ?事細かに知りたくて仕方ない。ほんとは職場にだって行かせたくないんだけど、それを縛るだけの財力もないし。
俺の色以外の服着るの許せない。
どうしてその色なのかなぁ、赤とか青とかもってのほかだから。そんな色の爪剥ぎ取っちゃうよぉ?(もちろん、君が痛がることは極力したくないけど)なにが普通かはわからないけど、これが普通じゃないってことくらいはわかるよ。僕はやっぱり異常なんだ。つまり僕は、お前のことを死ぬほど愛してるってことね。
要はそこ。
文句あるの?(文句なんて言わせないけどね)言葉でわかんなきゃ、身体におしえるしかないよね。僕を見ろよって言いたい。僕だけを見ろよって言って、僕と君だけの空間に君を縛り付けておいたって、僕は安心なんかしないんだ。
今日は遅かったんだね。
その驚いた顔、笑えるよ。同僚サンとの飲み会は楽しかった?(俺はここでお前のことずっと待ってたのに、酔っ払って愉快そうに帰ってきて、ムカつく)お前は僕がいなくても楽しいんだ。ねえ、どんな話をしたの?ねえ、どんな顔して笑ったの?僕にぜんぶ聞かせてよ。聞かせてくれても不安になる僕はどうしたらいいのさ、ねえ。ねえ、ねえ!

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20160121
20170930加筆
title by サンタナインの街角で(http://santanain.xria.biz/)

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