「あ。そうか」
「え、なにその何か良いこと思い付きましたみたいな顔」
「私が男になればいいのか」
「は?なにそれ、意味分かんない」
「私が男になるなら、一松には女になってもらわなきゃだけど、いいよね?」
「は、はぁ!?」
「や、だって考えてみ?このご時世だよ。女性の社会進出著しいじゃん」
「……」
「女が家を守って、男が外に働きに出るっていう封建の時代じゃないんだし、てか、そもそも男が働いて稼いだお金で死ぬまで養ってもらおうだなんて、だめじゃん?そういうさ、夫に寄生して甘い汁だけ啜ってるような妻にはなりたくないし」
「ちょ、名前さん…話飛躍しすぎ」
「男だって、自分が汗水垂らして働いたお金を、家にいる女が湯水のように使うのって嫌じゃん?私がそんな妻を持つ夫だったらふつーに嫌。パパもよく我慢したよね。ほんと誇らしいわ。パパだいすき。」
「おい、ファザコン。俺にも話させて…って聞いてねぇ」
「つーか、それが原因でうちの両親は離婚になった訳だし。あー、でも、私は自分が一生懸命稼いだお金で一松が幸せになるんなら、もうそれだけで充分だし、むしろ性欲処理機能付きATMだって思ってくれて構わないし、一松には掃除とか料理とかお洗濯とかしてもらわないといけないけど、それ以外の時間は外のにゃんちゃんと戯れてていいし、あ、でも。私が会社から帰ってくる前までにはちゃんと家にいて温かいご飯を作って待っててほしい…かな。ねえ、もう結婚しよ?」
「…っ!!?」
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20160105
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