※これの二人
※一松が相手を受け容れたいと思ってしまったら
「あんたは、すんごく自分勝手だよね」
「うん、自覚症状はあるよ」
「都合が悪かったら全く連絡よこさないし、時間が空いたら僕の予定なんて考えずに呼びつけてさ。あ、今、僕のことニートだろって思ったでしょ? ごもっともだよ。僕はニートだしクズだし、生きてる価値のない社会のゴミだから、いつも暇してるしね。でも、少しは僕のプライベートも考えてくんない?」
「そうだね、ごめん。一松」
「はっ。ほんとはそんなこと微塵も思ってないくせによく言うよね」
「…バレた?ごめん、一松。あたしはこういう人間だからさ」
「…あんたからの連絡が途絶えて、こっちからの連絡も未読スルーされる時の僕の気持ち、考えたことある?…ないよね。あなたは身勝手だから」
「今日はやけに饒舌だね、一松」
「うるさい。触らないで…。僕は今、怒ってるんだから」
「ふふ…珍しいね、一松。怒ってるんだ?」
「ほんとに、あなたのそうやって余裕ぶってるところが嫌い」
「ぶってるんじゃないよ、余裕なの。ねぇ、一松を不快にさせた慰謝料は、どのくらい払えばいい?」
「慰謝料なんていらない。もう、ほんと嫌。どうしたら、あんたのその余裕が崩せるの?」
「そんなこと言う訳ないじゃん。自分から手の内を明かすとか、馬鹿のすることだからね」
「ああ、もう。…ほんと嫌い」
「なにが嫌いなの?…詳しく教えてよ、一松。あ、いくら払ったら教えてくれる?」
「そうやって、お金で解決しようとするところとか嫌い」
「えー…だって、お金好きでしょ?人間って…。それに、最初は喜んで受け取ってたじゃん、一松」
「あと、僕のことをお金で釣ろうとしてくるとこも嫌い」
「思い出してみなよ、一松。そうやって釣られてきたのは誰の兄弟だった?」
「…ッ。人の揚げ足取るところも嫌い」
「そう。揚げ足撮りね…まぁ、一松もよくやる常套手段だよね」
「僕の言ったことにいちいち言い返してくるとことか!」
「ふぅん」
「僕みたいな奴にいちいち期待してるとか言ってくるとことか!」
「……」
「僕みたいなクズでゴミでニートで、生きる価値のない奴に、価値を見出してるとことかっ!…ほんと、あんた…っなんなんだよ!一体僕が何をしたって言うんだよ!こんな僕に何ができるってんだ、あんたバカじゃねぇの!?」
「バカじゃないよ、一松くん。私はバカじゃない」
「俺より狂ってやがる、一体こんな僕に何を求めてるってんだ!僕は自分に、あんたに求められるような価値があるなんて思えない。それなのに、なのに…どうしてあんたは、そこまでして僕にこだわる!?」
「それは君のことが好きだからだよ」
「好きだ、とかさ…もううざいんだよ!やめろよ、期待なんて重たいだけだ。苦しいだけだ。僕はどうせ、あんたの期待になんて応えられねえよ。どうせ、あんたが飽きたら僕なんてポイだろ?…は、はは…ゴミはゴミらしくお払い箱行きですよ。もう、ほんとにさ…やめてよ。そうやってお金に見せかけた愛をちらつかせて僕を期待させるの…もう、疲れた」
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20151230
20170928修正
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