眠たい目を擦りながら、ボーッと立っている神楽。
足下には大きな白い塊…定春が横たわっている。
「銀ちゃーん…私、もう寝るネ」
「おぉ、子供はとっとと寝ちまえー 遅くまで起きてると綺麗になれねぇからな」
「それは大変ネ!おやすみ、銀ちゃん!!
定春寝るアルー」
バタバタ、と1人と一匹の走る音がして途端に静かになってしまった室内。
この部屋に居るのは銀髪のテンパ。
そう、坂田銀時だけである。
彼の手に持っているジャンプは
先ほど、神楽たちが出て行ったっきり全然ページが進んでいない。
普段の彼ならば、もう読み切っていても
いい時間で、二周目の読み返しをしている頃だ。
はぁ…。
どうしてこんなにも。
俺は、あいつが好きなんだろう。
「会いてぇ…」
あいつ。
今、何してんだろう。
そればっかりが気になって、今読んでるジャンプの内容が全然頭に入って来ねぇ。
話がしてぇ。
声が聞きてぇ。
そんでもって、ぎゅって
あいつのほっそい腰に抱き着いて
思いっきりキスしたい。
「あー。何してっかな、あいつ」
銀時はもんもんと考えていた。
それは、彼の漫画を読む時間さえも削って
大好きな彼女のことを…
知らず知らず声に出していることにも気付かずに。
(逢いたい夜に)
(君は居ない)
end
20101107
20101227 再UP
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会いたい逢いたい坂田さん。
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