二日くらい前に、妙に身体が怠いなぁって思って熱を計ってみたら、案の定、37.8℃で微熱がある。
その日の任務は適当に早く済ませて、書類はと言うと、部下の中の一人に任せて私はその日、早くに寝た。
こう言うときに、頼りになる部下がいて本当に私は幸せな上司だと思った。
その事を素直に部下に伝えたら、その子は嬉しそうに「お大事に」って言ってた。
「まる一日寝通したみたいだわ…これ、」
半日以上寝てた私だけど、まだ眠い。
それに、身体の怠さはあんまり良くなってない。
まぁ、悪くもなってないのだから良しとしよう。
ルッスーリアが私の為にとおかゆを作ってくれた。
空っぽだった私の胃袋に流し込まれたあったかい手作りのおかゆはとても美味しくて、ぺろりと
平らげることが出来た。
いつもいつも、私や他の幹部の身体を気遣い任務の合間にこうして料理をしてくれるルッスー。
彼女にも感謝しなければいけないね。
(もう、私たちのママンになればいいのに…)
これは熱のせいか、薬のせいなのか深夜に近いような、独特のテンション。
体温を計ると熱は下がってきている。
不思議と身体は軽く、久々に自室の掃除でも、と私は要るものと要らないものの選別をはじめた。
するとそこへ、一人の男が現れた。
「もう起き上がっててもいいのかぁ?」
いつもの煩い大声はなかった。
私の姿をベッドではなく、ソファーのところで見つけた彼は、何を焦っているのか私には分らないが
こちらの方へ急いで寄って来た。
「ん―― まぁね。」
「メシは?」
「ルッスーがおかゆ作ってくれたから」
「食えたのかぁ?」
「一応。」
「熱は計ったかぁ?」
「うん」
「何度だった?」
「ん―― 37.1℃だったかな?」
「う゛ぉい……何でそこ疑問系なんだ?」
「まあまあ」
まだまだ言いたい事があるようで、彼は口をもごもごとやっているが、私は軽く宥めた。
彼とこうして話をするのも随分前が最後だったから なんだか、久し振りの様な気がしていた。
溜息を吐いた彼は、どすんと私の隣りへと腰掛けた。
その際に、ふわりと香ってきた鉄のにおいに私は顔をちょっとだけ顰めてしまった。
彼は私のその表情の変化に気付いて、苦笑した。
「あ―― もしかして任務帰り?」
「……そうだぁ」
「そっか。お疲れさま」
「…おう」
「スク自ら、任務帰りに真っ先に わざわざ来てくれてありがとね」
「べっ…別にお前が心配だったとかそんなんじゃねぇからなぁっ!!」
「はいはい」
彼はきれいな顔を真っ赤に染めながら話す。
私のことが心配で急いで任務を切り上げて それで、そのままの足で私の部屋へと来てくれたんだ。
心配してないって貴方は言ってるけど、バレバレだよ?
「スクアーロ……分かりやすすぎ…」
「なぁっ゛!?」
私がそう言えば、彼はまたそのきれいな顔を赤くした。
はぁ、なんか笑える。
何でもない日。
むしろ今日なんて言う日は、私は風邪気味だし微熱があるんだけどね…あら、不思議。
また熱が上がってきたのかもしれないが、ぼぉーっとする頭で私は考えてた。
「ありがとね、スクアーロ」
「……おぉ」
貴方がいると、何でもない日が、素敵な日に早変わり!
end
20101204
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