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昨日の学力テストなんとやらはさておき、今日は午後から生徒会入会式と部活紹介があるそうだ。午前中に測ったばかりの身長を見せびらかしながら、一年間変わらないであろう全校集会などでの並び順を決める。男女別で一列に並んだら隣は運よく栄口くんだった。
「あれ、また隣だね」
「……このクラスでかい奴多くない?中学は後ろから数えた方が早かったのに」
「何センチだったの?」
「169」
「わたし153だよ、カップルの身長差は15センチがベストっていうじゃん」
「じゃあちょうどいいくらいかー」
「うん」
部活紹介ではサッカー部から始まりそれぞれ個性的なパフォーマンスを披露していった。体操部ではかの有名な燃焼系CMの真似をしていたし、テニス部ではなぜか部長のサイン入りボールが飛んできた。
「栄口くんナイスキャッチ!」
「あげる」
「……家宝にします」
「そりゃ嬉しいことで」
「そういえば野球部は?」
「今年新設なんだよね。あ、やっぱり顧問しかでてこない」
「じゃあ1年生だけなんだ」
「うん。深田はどうするの」
中学時代は一応運動部だったけれど、自分の体力の無さに絶望してばかりだった。文化部なら調理部か放送部かなあなんて思っていた。吹奏楽部は運動部並にきついと聞くし、生物部化学部は文系のわたしにはきっと向いていないだろう。英語部に入れるほどしゃべれるわけでもない。要するに消去法だった。
「わたし人前だとあがっちゃうから調理部にしようかな」
「……なあ、マネジは?」
「……考えてみたんだけど、わたし野球のルールちゃんとわかってないしスコアとか書けないし部員をサポートするどころか迷惑かける気がとてもするし」
「そんなの今から覚えればいいよ」
栄口くんは優しく勧めてくれたのだけれどわたしにはどうも現実味がなくて、結局お断りすることになってしまった。せっかく誘ってくれたのに、申し訳ないな。篠岡さんが野球部のマネージャーになったと聞くのはもう少し経ってからだった。
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