もぐもぐもぐもぐ、ごくり。おかずに箸を伸ばして、その次に白米を食べて、またもぐもぐ、ごくり。その動作を先ほどがら無言で続ける。わたしは食事の真っ最中なのでそれで良いと思うのだけれど、真正面に座る富松は肘をついてこちらを見ているだけだ。どうにも居心地が悪い。

「別に待ってくれなくてもいいよ」
「いや、待ってる」
「なんで」
「このあと委員会だからに決まってんだろ」
「先行ってていいよ」
「俺が連れて行かなきゃおめえさぼるだろうが」
「…ちゃんと行くよ」
「目を見て言え、目を見て」

さっさと食えよ、とため息をつく富松にばれないようにひっそり笑う。食べている間は独り占めだ。わたしはゆっくりと味わってご飯を食べる。

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