中学時代の泉の秘密、というか笑える髪型の話で泉にヘッドロックをくらったのが先週の金曜日のこと。朝のHR前の教室で、泉と、それから浜田くんと喋っていたら、再びその話が浮上した。今日は頭を叩かれた。
その流れで初めて知った事。「浜田くんは留年野郎」で、「泉の先輩、というか元・先輩」だということ。

「わ、そんなに知られてないもんなの?やっぱ」
「だからてめーの話なんていちいちしねえっつの」
「いーずーみー」
「うーざーいー」

そ んな二人のやりとりを見ながら、わたしの頭の中はぐるぐるとしていた。道理で、大人っぽいというかしっかりしてるなあとは思っていたけど、とかそんなに深刻なまでに馬鹿だったのか、とか。呆然と浜田くんを眺めていたら、彼は何を勘違いしたのか「そんなに見つめられると照れるんですけど」と口にした。いや、 どうぞご勝手に。

「なんかその話を聞くと泉がどれだけ生意気かっていうのが浮き彫りになるね」
「だよね」
「お前らいっそ窓から飛び降りたら?」

泉の辛辣の言葉とともにチャイムが鳴って、浜田くんは自分の席へと戻っていった。先生はまだ来ないので、話を続ける。

「中学ん時はちゃんとしてたの?」
「なにが?」
「敬語とか、」
「あー、それなりに」

想像してみるとなんだか笑える。浜田くんに敬語を使う泉。浜田先輩、とか言う泉。泉に罵られることのない浜田くん。極めつけは坊主の泉。

「なに笑ってんだキモチワリー」
「いやいやいや」
「でも元々ガキのころからの付き合いだからなー、敬語っつってもあんまり…」
「ふーん…泉のガキのころねー、生意気そう」
「いやいやいや」

ちっちゃい頃も坊主だったの?笑いを堪えながらそう聞くと頭を掴まれて窓の方へと押し出されそうになった。



「ちょっ、まじ危ない危ないやめて!」
「反省の色が一切伺えませーん」

<070604>
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