※スガタがアプリボワゼした後
眠り姫ならキスで起きるのに、と息を吐いた。
ベッドの上で横たわるスガタ、元々肌色は薄く透き通ってしまいそうなくらいだった、だがこうも表情も無く眠っていると言い方は悪いがまるで死人のようだ。そして青色の髪はその肌を引き立ててしまう、悪い意味でだ。
「スガタぼっちゃまが、まさか。」
「とうとうやってしまわれたのか、アレを。」
二人きり、いや、一人きりのように感じる部屋。部屋の外から聞こえる焦る使用人の声が虚しさを生み出す。
「手は温かい、頬も、温かいよ。」
確認するかのように独りで呟く、温かいことを感じなければ本当に虚しすぎるから。
「ねぇ、今何処に居るの? 聞こえてるの?」
スガタの重さに沈まないベッド、本当にスガタなのかとまだ疑う……いや疑いたい。
「目を開けて、何か喋って。」
静まり返る部屋は、
僕の眠気を誘うのにはうってつけであった。
「誕生日おめでとう。」
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