部室は暗く、もうすぐ最終下校時刻。
「ん、スガタ……。」
部室のテーブルに腰掛けるタクトに覆い被さるように口付けるスガタ、誰も見ていない、だからもっと、もっとと時間を忘れるくらいに没頭していた。
「タクト、」
「何?」
「ワコのことどう思ってる?」
唐突な質問に沈黙してしまう。そう、タクトはワコが好きであるから。
「……スガタとは違う好き、かな。異性としてとても可愛くて、守ってあげたくなる、好き?」
「ガラス越し有りで?」
「有りで、寧ろガラス無しで。」
きっぱりと言われると何とも返せない。そう、スガタはタクトが好きだから。
「人工呼吸はキスじゃない、僕がタクトの初めての相手、な?」
「ん、そうだね。僕はどっちも好きだから、でもファーストキスはスガタだよ。」
ぐいっとネクタイを引っ張り耳元に唇を寄せる。
「スガタのほうが、多分好きだから。」
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