※声優ネタ、タイトルはすべて平仮名にして反対から読むと何だかわかる。
「キスしてたね。」
スガタは微笑んだ。
「え、あ……ワタナベさん……のこと?」
笑みに深い意味が有るとは思わずタクトは頬を染めながら話しはじめる。
「いやね、ワタナベさんがガラス越しのキスを……ってあと昨日ワタナベさんとデートをして……うーん、どこから話せばいいんだろう、シモーヌちゃんが……。」
首を傾げて唸りながら話すタクトにしびれを切らしてスガタは簡素に話を纏めた。
「デート、シモーヌちゃん、ふーん……タクトがモテモテだってことはその話の中では分かったよ。」
そして笑顔は絶やさない。
「あ……なんか自慢みたいだよね、ごめん、違うんだ。」
タクトは何でスガタが機嫌が悪いのか分かったらしい、絶対外れだが。
「いや、別に? それよりタクト。」
「あ、あう……なななに?」
スガタの変わらない表情に背筋が凍りながらもタクトは返事をした。
「僕もタクトとキスがしたい。」
「え?」
タクトさんの目が点状態、幻聴ではなくハッキリと、もう耳許で囁かれた。
「だから、ズルいじゃないか、ファーストキスはワコ、セカンドキスはワタナベさん、一番と言っていいほど僕とタクトは一緒にいるのにキス一つしないなんて不平等じゃないか?」
最ものように話すスガタにタクトは挙動不審になる。だって同性の友達からの不純な提案だから。
「え? すすスガタさん? 大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない。」
どんどんすり寄ってくるスガタにタクトは少しずつ距離を保とうとするがいつの間にか隅に追いつめられていた。
「もも問題なくなくないよ! 僕達男だよ!? 間違ったテイスティングでキスという甘くそして豊潤でスパイシーなものは……!」
口が滑って某ポケモンソムリエの言葉遣いがぽろりと。
「キャラ違うよタクト。」
ずずいと迫るスガタ、教室にいる生徒は見て見ぬふりか面白がっているか。
「って……え、皆! 目を背けないで! 助けて!」
「タクト、恥ずかしがらなくたっていいよ。」
タクトの顎をくいっとあげ、唇が近付く、ピンチ、ピンチ、イッツアピンチ。
「え、ちょ、本当、皆行かないで!」
その濃厚なホモの香りに恐れをなした生徒が無言で俯きつつぞろぞろと教室を出ていく、そして最後の一人が出る間際に゛お幸せに゛と一言残し扉を閉めた。
「ほら、ちゃんとこっち向いて。」
赤く頬を染めたスガタ、青ざめるタクト、もう教室には邪魔する助人は誰一人居ない。
「っう、あ……ひ、一人はやだよぉおおぉぉお!」
思わずまたぽろり、某超次元サッカーアニメの北海道出身のどさんこ二重人格の言葉遣いが現れる。
「それもキャラ違うよ、タクト。」
そしてスガタは満足いくまでタクトの唇を堪能したそうな。
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これを書いたのはワタナベさんとのキスのアニメ見た後すぐなんです。
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