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 すべての犬は天国へ逝く




※スガタ死ネタSS




「もう一度渡ろうかな、そして漂流するんだ。」

スガタはタクトを見つめる、途切れ途切れだが息をヒューヒューさせながら何を言い出すんだ、と泣きながら。

「僕には、もう時間が無いけどタクトはまだ……生きられる、じゃな、か。」
「喋らないで、スガタ……本当、辛いから。」

どちらも涙でぐちゃぐちゃになった顔を拭きあう、タクトの頬は血だらけになりながら。

「スガタともっと一緒に居たかった、」
「うん。」
「スガタと沢山話したいこともあったし、スガタと手を繋いだり、」
「うん。」
「す、がたとたくさ……キスした、り。」
「うん。」
「もっとセックスだってしたかった。」
「うん。」
「したいことが沢山、あったんだ。」

涙ながらに全てを吐き出すタクトにスガタは頷く、頷くことがやっとだから。

「好きだよぉ……っスガタっ凄く好き。」
「僕も、タクトが……好き、幸せにできなくって、ごめん。」

その言葉にタクトは抱き締める力をより一層強める。

「でも、僕は幸せに死ねる……タクトが、居てくれるから。」
「っスガタッ! 僕は幸せだよ、スガタと出会えて、好きになって、充分過ぎるくらいなのに……!」

それでも人はタイムリミットが近づくと強欲になる。

「じゃあ、タクト……またな。」
「うん、またね。」

そして二人は別れたはずだった、生と死という別々の道に。

「もう一度、僕は漂流するんだ、次はスガタに見付けてもらえるように。」

そしてタクトはスガタの亡骸と共に海を渡った。


次の日のニュースは美少年達の美しい死で飾られた。

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タイトルは引用させていただきました。

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