その後


『倉持…くらも、ち…』
そう言って亮さんは俺を求めてくる。
耳を赤く染め、苦しそうに、恥ずかしそうに、淫らに。
『くら…も、ちっ、もっと…っん、は…もっ、と』
普段は絶対聞けないような甘い声で、見えないものがないような格好で。
『倉持、すきっ…』
泣きながら、俺を愛してくれる。
決して俺の目の前で泣かなかったのに、
なんで…今?

「おれもです…」

亮さんと別れて3日、亮さんを抱く夢を見た。
あの後、雨に濡れていた俺は3日たった今も熱が引かない。食欲もわかない。寝てるだけ。
沢村曰く『なんかゴキブリゴンゴンのなかのゴキブリみたいっすね』だと。
あいつにそんなこと言われるなんて俺も落ちたな…
なんだか、どんなことにも落ち込んでしまう。
プロレス技をかける気力も湧かない。

沢村もそんな俺を気味悪がってた。
「亮さん…」
ぽそりと呟く。
二度と心を通わせられないひとの名前。
もう想わないと決めたひとの名前。
世界で一番愛しているひとの名前。
俺のことは、もう、嫌いになってしまっただろうか。無理もないな。
「それが正解なんだよな…」
亮さんが他の人と幸せになってくれればいい。
誰かのとなりで幸せに、幸せに、ずっと笑ってくれればいいはず。
いいはずなのに。
「亮さん…好きです、好きです…」
他のものにならないでください。
俺を、亮さんの中から消さないでください
本当は、手を繋ぐのも、キスするのも、笑顔にさせるのも、
『愛してる』
っていうのも全部。
亮さんがいいんです。
俺は最低なやつだ。非道だ。
まだ好きでいてほしいなんて、矛盾。
亮さんがほしい、足りない。
「亮さん…」
粛然としない俺は自分のものを弄る。
亮さんにさわられて、一番ぞくぞくしたところを触る。
亮さんが手で触ったり、口に含んでくれたように。
『っは…倉持の、でかっ,い』
ここはこんな風に、そこはあんな風に。
もともと火照っていた身体から汗が出る。
息も荒くなってくる。
「っは、亮さん…はっ」
自分のものがかたくなってくる。
ごめんなさい、亮さん。
俺、やっぱ。どうしようもなく亮さんが好きです。
透きなんです。
「あ、っ…く、」
身体がぴくつけば、俺は白い液体を飛び散らせた。
「はあ…はっ…ごめんなさい…」
目の前に白い液を顔に散らせた亮さんが浮かぶ。
むなしい自分が。
「好きです…愛してます…」
1人しかいない部屋で。
だれにも聞こえることのない。
だけど、あなたたけに聞いてほしいと思ってしまう。






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -