深夜二時の攻防戦 | ナノ

※若干いかがわしいかも







グリーンはもう寝たのかな。薄く目を開けると、おれに背を向けて眠っているようだった。「一緒に寝よう」とソファで寝ようとしていたグリーンを引っ張って、ベッドに連れ込んでからどれぐらい経ったのかわからないが、言い出したおれが眠れずに狸寝入りを決め込むことになるとは思ってもみなかった。触れたくてうずうずと逸る気持ちとのばしそうになる手を抑えるのに精一杯で目を閉じたってろくに眠れやしない。いつの間にか好きな子と添い寝するだけでは物足りなくなってしまっていたなんて、成長するって不潔だ。
頭の中でよろしくない妄想が繰り広げられようとしたとき、布のこすれる音が聞こえてグリーンはおれの方へ寝返りを打った。彼は寝ていておれが起きていることになんか気づかないだろうけれど、条件反射で慌てて瞼を閉じてそれっぽい寝息を立てた。けれども驚いたことに寝返りを打った後も布擦れの音は止まなくて、顔の前に放りだしていたおれの手に躊躇うように触れてくる感触があって、なんとグリーンが指を絡ませてきたらしい。狸寝入りを続けていると、手を恋人繋ぎで握ってきたかと思えば、おれの唇に柔らかいものが触れて、どうやらキスされているみたいだ。まさかグリーンが起きているとは思わなかったし、こんな積極的に触ってくることなんて無かった。グリーンのことだから相手が気づいてない時にしか恥ずかしがって甘えられないんだろう。心臓がきゅうと締めつけられるような苦しさの中にちょっとした悪戯心が働いて、ぺろ、と触れているだけのそれを舐めると、びく、とグリーンの身体がこわばるのが繋いだ手を通じてわかった。驚いて開いた唇の隙間から舌を入れて、力が抜けて離れようとするグリーン手を繋ぎとめるように指を絡ませなおした。

「ん、っふぁ、」

唇を放すとグリーンの息が静かな部屋で浮き立って聞こえてやらしい。彼が目に涙をいっぱいためて驚いている姿を想像して下腹部が疼く。おれが寝ぼけているとでも思っているんだろうなあ。手を放して両腕でグリーンを抱きしめると吐息が首筋にかかってくすぐったい。Tシャツの裾から手を入れるとグリーンはびくんと震えた。

「ひっ…レ、レッド!起きろってばか!」
「起きてるって」

抱いていた腕を緩めてグリーンの目の前でこれ見よがしにぱちぱちとまばたきして見せると、グリーンもやっぱり目を疑うようにまばたきして驚いていた。

「え!?」
「うんもうぱっちり」
「いつからだ…?」
「ずっと、ていうか寝てないし」
「じゃ、じゃあ…」
「あ、ちゅーありがとね!」
「うああああ」

グリーンは赤くなった顔を隠すためにおれの胸に顔をうずめた。体制的にも隠れる場所がここしか無かったんだろうけれど、しがみついてくるグリーンはどうにかさせたくなるくらいかわいい。その悪戯心に逆らう気もないので、シャツの中に入れていた手を脇腹に這わすとグリーンの身体はびくんと反応する。

「や、」
「嫌じゃないでしょ?誘ってきたのに」
「さ、誘ってなんか…」

グリーンにそのつもりが無かったとしても、我慢していたおれにはそんなふうにしか見えないのだからしかたがない。しかもグリーンだって顔真っ赤にしてるんだから否定の言葉もあったもんじゃないし。膝を折り曲げて擦るように刺激するとそこは既に固く腫れていた。グリーンはいやいやと首を振っているが、吐息と洩れる声は熱っぽくて、睨んでいるつもりの目には涙が溜まっていて、つい口角がつり上がってしまう。

「感じてるでしょ?」
「も、やだぁっ」
「…まだ嫌なの?」

いくらグリーンが恥ずかしがり屋でもこんなに拒否しなくてもいいじゃないか。唇を一の字に結んでむすっとグリーンを見ると困ったように目をそらされたけれど、頬はみるみる赤くなっていって、何か言いたそうに口を開いたことに気づいた。

「ちゃんとさわれってことだよっ、ばかレッド」
「え?」

キッと睨んでくるグリーンの瞳は涙どうるうると揺れていて、多分恥ずかしかったのだろう。拒否されているわけではなかったみたいでほっと一息吐いていると、グリーンが目で急かすから上に跨るようにして押し倒した。

「覚悟してなよ」

耳もとに唇を寄せて言うと、白い喉元が音をたてて上下した。








100830






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