自己申告/1048 | ナノ

※R15
閲覧注意!




























やめろ、なんてかすかすの言葉は十代には全く届かなくて、俺はそれが届かないことに口先の裏側で安堵しているのだ。俺がやめてほしくないと思っていることを知ってか、その気にさせてやると思ってか、十代は行為を続けたが、前者の理由であれば死にたいくらい恥ずかしい。十代は愉しそうに笑って、見定めるように目を細める。その瞳にすべて見透かされているような気がして、それを見ないように腕で覆って目隠しをした。

「ヨハン、顔見えないぜ?」

真っ暗な視界の中で聴覚と触覚が過敏になる。くちくちとそこを擦る音がやけに大きく聞こえて、自らの喘ぎ声も執拗に耳に入ってくる。ぐわんぐわんと襲ってくる快楽は辛くてもどかしくて気持ちがよくて、ゆっくりと昇りつめていくのがわかった。

「ぁ…ふン…あッ、やぁッ」
「顔見せて」

力の入らない両腕は十代の片手で簡単に払われてしまって、両手首をまとめて頭の上で押さえつけられた。抵抗の手段を無くした俺は、ただ十代が自身を弄るのを見て感じて喘いで恥ずかしいがることしかできない。厚く涙の膜が張った向こう側でぼやけた十代は多分笑っている。いつもと違う笑顔を俺に向けている。

「かわいい、」
「あッ…ひう…ばか…あっ」

べろりと涙を舐めとられて視界がいくらかはっきりと見えるようになった。そこにいた十代は色っぽく笑っていて、ぺろりと唇を舐めたときの表情が脳裏に焼きつく。ぞわぞわと下腹が疼く感覚に身を捩った。

「イッていいよ、ヨハン」
「ひ、ぁっ…ふあぁぁあああんッ!」

耳許で囁いた声が俺の頭のなかを真っ白に塗り潰す。白濁は十代の掌に受け止められて、指についたそれを見せつけるように舐めた。それだけで気だるいだけのはずの身体にふわりと熱がこもって、どうしようもなく触ってほしくなるのだ。

「こっちもほしい?」

つぷり、と入り口に指先を突き立てた十代はなにもかも知っていて、焦らすように耳を舐めてくる。入り口でくるくると指を動かして、そのもどかしささえも快感として拾う身体は十代におかしくされたのだと思った。








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