一方通行と打ち止め/禁書
「みさかはっ…うぇっ…」
「ンだようぜェな…」
「どうして、いつも自分を卑下するの?って…みさかはみさかはっ、問いかけてみたり…っ」
「当然じゃねェか。自分のしたことくらい把握してる」
「やめてよ、」
テメェは俺を憎むべきじゃねェか。なんで泣いてンだよバカが。でもなぜだかそれは吐き出せなかった。腹のあたりにじんわり温かいような冷たいような感覚が広がる。
「時間は戻せねェんだよ」
レベル5の力を持ってしても。しかも随分と弱体化してしまったその力ですべきことは何か。
打ち止めの髪を梳く。こんなに力なく他人に触れたのは初めてかもしれない。
11/29