短文 | ナノ

一方通行と打ち止め/禁書


「みさかはっ…うぇっ…」
「ンだようぜェな…」
「どうして、いつも自分を卑下するの?って…みさかはみさかはっ、問いかけてみたり…っ」
「当然じゃねェか。自分のしたことくらい把握してる」
「やめてよ、」

テメェは俺を憎むべきじゃねェか。なんで泣いてンだよバカが。でもなぜだかそれは吐き出せなかった。腹のあたりにじんわり温かいような冷たいような感覚が広がる。

「時間は戻せねェんだよ」

レベル5の力を持ってしても。しかも随分と弱体化してしまったその力ですべきことは何か。
打ち止めの髪を梳く。こんなに力なく他人に触れたのは初めてかもしれない。






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テーマ「人外ファンタジー」
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