とある島で買い物当番になったおれたち。必要なものを買い揃えいざ船に戻ろうとした時、おれは異変に気づいた。

「な、なぁマルコ…」

「あ?」

「お、落ち着いて聞けよ」

「なんだよい」

「こ、心して聞けよ」

「だからなんだよい」

「…あいつ…こっち睨んでないか?」

おれが指を指した方向をマルコが面倒臭そうに見る。そこには先ほどからこちらを睨み続けている女がいた。お、おれなんかしたかな…なんて思ってしまうほどの睨みを効かせている。木の陰からこちらを見ている姿はさながらストーカーのようだ。

「本当だよい。おまえあれほど女関係はほどほどにしろって言ったのに…はぁ」

「それはマルコだろ!!なんかおれが悪いみたいな言い方やめろよ!!」

マルコがおまえにはうんざりだみたいな顔をしてため息を吐きやがった。なんだよその顔は!

「ほれ行ってこい。あんな熱い視線向けてきて、お待ちかねだぜ」

「いやいや!熱いけどその熱いじゃねぇよあれ!殺意込められてんぞあれ!」

「照れ屋だなぁエースは。きっとあの子もお前のそんなとこが好きなんだろい。さぁ行ってこい」

「いやだから話聞いてる!?おれのどこに照れてる要素があるんだよ!」

「ハハハ、分かってるって、さぁ行けよい」

反論してみても意味がなかった。何を分かってるんだ?何も分かってないぞ?

おれがグチグチしているとマルコは痺れを切らしたのか「早く行け」と言ってケツを蹴ってきた。

そして半場強制的におれが行くように仕向けられた。たんにマルコは面倒くさいことはエースにお任せ☆とか思ったのだろう、おれを置いてスタスタと船に戻る。この薄情者パイナップル!略して薄パイ!…なんか白菜の…パイみたいだ…

突っ立っていてもしょうがないのでどうしようかと女の方をチラリと見る。

あ、なんてこった目が合っちまった。

女はおれと目が合うと、木の陰から飛び出してきた。…あれ、可愛い、と思ったのもつかの間女が叫んだ。

「やいやいやいやい!!白ひげ海賊団1番隊隊長、不死鳥マルコ!同じく!白ひげ海賊団2番隊隊長、火拳のエース!神妙にお縄につけええい!」

シーン

あたりは静寂に包まれ、マルコが遠くで荷物を落とした音があたり一面に響いた。


えー…とりあえず…どうしよう


(マルコ助けろ!)



 

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