バタンと玄関の扉を閉める。ふらふらと足取りがおぼつかない様子で見慣れた部屋を歩くなまえ。正直どうやって下から四階であるこの部屋まで来たのかなまえには全く記憶がなかった。途中、なまえは下の階の山田さん宅に間違えて入ってしまい風呂上がりでバスタオルを腰に巻いた山田さん(会社員 男性35歳独身)が突然のなまえの家宅訪問に吃驚して咄嗟に自分の乳首を隠しながら叫んだことも今のなまえの頭には薄っすらとも残ってないだろう。山田さんにはトラウマものだったに過ぎない状況にもなまえの頭の中には山田さんが気にする乳首の毛はおろか山田さん自体インプットされていないのであるから世の中は不条理である。

後日ゴミ捨て場にてなまえと山田さんがバッタリ鉢合わせして「この前はお見苦しいもの見せてしまいすみませんでした」と気まずそうにはははと空笑いする山田さんに「…はぁ…人違いじゃないですか?」と何言ってんだこいつという顔をしてそそくさと部屋に帰るなまえに絶句するしかなかった山田さんがいたのはまた別の話。





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