「あれ?、ここは…」

「よぉ、気がついたか」

なまえは頭を上げた拍子にひやっとした冷たい感触が額からずれ落ちたのを覚醒しきっていない頭で確認しながら、虚ろな瞳をパチパチとさせて、目の前の男を見た。そして辺りをキョロキョロと見渡し「おぉ。ヤーさん家再び…」と少し驚いた様な声を出した。

とても元気な様で安心した

キッドはひきつった笑みを見せ、目覚めたばかりのなまえにココアを差し出した。懐かしい言葉に、嬉しさが全く込み上げてこなかった

「おまえが寝るもんだから家の場所分かんねぇし、放置するのもあれだったからまた家連れてきた」

「ヤーさん家再び」

やっぱ連れてこない方が良かったよな悪かった

誤解されない様に言うも、なまえの発言によってキッドは自分の愚かな行動を謝った。そんなキッドを見てくすくす笑うなまえ。別に起こしてよかったのに、と思うもそれもキッドの優しさだろうそんなことを考えながらまだ熱いココアを冷ますべくふーふーと息を吹き掛ける。

「いいえ、ありがとうございます。またお世話になっちゃいましたね」

笑ってはいるが申し訳なさそうにはにかむなまえに気にするな、とぶっきらぼうに返すキッド。その言葉を聞き今度は純粋な感謝を浮かべ微笑むなまえ。だがゴホッゴホッと咳き込んだことによりその笑みも消え失せた。

「安静にしてろ。まだ熱はあんだろ?さっき計ったら38.5℃だったぞ」

「は、いっ。あ、だからこれ…」

未だにひんやりとした冷気を保つタオル。きっと寝ている間に頭にでも乗せてくれたのだろう、だがしかしミッフィーのタオル。ミ、ミッフィーだと…?なんだかキッドさんからは全く程遠そうなキャラクターだな、となまえが思っていたら声に出ていたのか瞬時に奪い取られたタオル。

「いや、!ちが、これはだな…!!お、おかんが送ってきて…!」

キッドの必死な弁明。母親からの仕送りで送られてくるタオル。キッドはなまえに誤解されない様に顔を赤くしながら弁明を行う。#キッド#の必死さが伝わったのか「そうなんですか」と微笑むなまえ。ホッとするキッド。

「ミッフィー好きなんですね」

全く伝わっていない



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