「…なまえ…」

「…なまえ!!」

「へ…?ぶへっくしゅっ!」

ジュワッ

「!ぶあっちいいい!!!」

くしゃみをした瞬間、ボワッと広がる火。そしてあまりの熱さに、痛い!と叫び、手に持っていたものを投げ飛ばしながら後ろ向きに倒れたわたし。ドシンと尻餅をつき、その痛さに、熱い!と叫んだ。何このダブルパンチ…!感覚神経もいかれてしまった…!と目を開くと、痛さを凌駕するほどの悲惨な光景が視界に入った。

目の前にはコンロの火が暴走し、廻りからはキャー!という黄色い声援ならぬ悲鳴。なまえさん何やってるの!?消火器!消火器誰か!という先生の言葉を後ろに、わたしは消されてく火をポカーンと口を開けて見ていた。これが地獄絵図か…なんて暢気に思っているわたしはなんて他人事なんだ。

そして、酷いです…!と横から声がして振り向くと、そこにはわたしが投げ飛ばしたホットケーキミックスの粉の犠牲になったのであろう、真っ白に変身した佐々木君がいた。あまりの真っ白さとこの悲惨な出来事に、ハハ…っと渇いた笑みを見せたら、佐々木君の勘に触ったのか、何が面白いんだ!とわたしが投げたホットケーキミックスを盛大な力で顔面に投げ返してくれた。


もう、今日は最悪な一日だ





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