帰りのSHRが終わり、さぁ今日も早く帰って再放送のドラマを見なくちゃ!と意気揚々で帰り支度をしていたなまえの前にトラファルガー・ローが立ちふさがった。しかも無言で。なんとも薄気味悪い予感がしてならなかった。

「な、なんですか?」

「準備できたか?よし、いくぞう。」

「吉、郁三?」

なまえのボケも華麗にスルーして教科書がはみ出したまま、中が露わになっているなまえの鞄を持ってズカズカと教室のドアに向かっていく先輩。ちょ、盗難!と叫びたかったがそれよりも鞄を開けっ放しにしてどっか行ってしまう先輩に着いて行かねば、あの女の子の必需品が鞄から自己紹介してしまうそれだけは防がなければとなまえは猛烈に走る。

「か、鞄返してください!それよりどこ行くんですか!わたしは今日用事あるんですよ!(再放送のドラマ見る用事)」

「用事キャンセルしとけ。おれの方が大事だろ。今日はおれん家行くって言っただろーが?」

危うくある物が自己紹介、まで行きかける前に鞄は奪還できたのだが、全く聞いたことのない勝手な言い分に理解ができず「はぁ?そんなこと聞いてないですよ…!」と怪訝そうな顔をして問うなまえ。

「いや、言った。心の中で」

平然と言い放ったトラファルガー。
心の中って…本気で伝わると思っているのかこの人は。仮にも一個上の先輩に失礼なことを思ってしまうが、しょうがないだろ。

もう何言ってもムダだと諦め溜め息をつくなまえ。こんな理不尽な人と一緒にいると、反論してもムダだと物わかりがよくなってくるのだなとなまえはしみじみ思った。むしろ諦めが早くなる。ムダな抵抗はやめようと着いていく。




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