「おい、風呂が湧いたぞ」

「…」

「風呂が湧いたぞ」

「…」

「おい、風呂が湧いたぞ」

「分かってます!分かってますって!風呂連呼しないでください…!気が散るというか、…殺意が散る!」

「いいや、おまえは何も分かっちゃいない」

「風呂が湧いたんでしょ」

おれがイケてるメンズだと言うことに

なまえは真面目な表情を浮かべ両手の親指で自分を指しているトラファルガーを無視してそそくさとお風呂に入る準備をする。

トラファルガーがなまえに無視されたことで両手を折り曲げ「oh…」といかにもアメリカ人が取りそうなジェスチャーをしたことで、なまえに物凄い殺意が湧いた。しかもそれが異様に様になってたとこにちょっぴり悔しさも生まれた。

「わたしが先に入りますから、[覗かない、近寄らない、存在しない]を守ってくださいね」

「ちょっとまて一つおかしいぞ。存在しないって何だよ。」

「…そのまんまの意味です」

なまえがボソッと捨て台詞を残しトラファルガーに押し付けられたダボダボのTシャツとズボンを手に持ち脱衣場に向かった。

だがしかし、トラファルガーはなまえにとっての禁句を握っていたのだ。

「あぁそういえば今日は13日の金曜日だったな。キンスマがやるな。…ん?なまえどうしたんだ?早く風呂に行かねぇのか?」

「…」

「まぁよく風呂って何か出るって言うよな」

「……!」

「何だ?怖いのか?しょうがねぇな。一緒に風呂入ってやろう」

「この鬼畜魔王め!目的はそれか!」

「当たり前だ」

何喰わぬ顔でケロッと肯定してきたトラファルガーにもう救い様がないとにこやかに認めたなまえ。






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