「さて…どうしたものか」

キッドは自分のベッドに横たわって寝ている女を見てポツリと呟いた。

ここは言わずもがなキッドの家。ほんの数時間前、学校に行こうと家を出たのだがちょっとしたハプニングが起きて帰ってきてしまったのだ。手土産を持って

目の前にはキッドのベッドを占領し気持ちよさそうに寝息をたてて寝ているなまえの姿があった。口の端からは涎が垂れている。正直やめてくれ、とキッドは思ったが起こす訳にもいかずキッドの枕はされるがままになまえの涎に侵略されている。

こいつはただ眠たかっただけなのか、とキッドは安心したのと同時に呆れからかため息がでた。先ほどのなまえの顔色などから何かの病気かと思ったが心配は全くと言っていいほどないようだ。安らかな眠りについている

しかしこいつは…警戒心がねェキッドは内心毒ついた。なまえを見れば、魅惑的な太股がさらけ出されている。細すぎず太すぎずちょうどよい太さの太股。男にはない白さで、絹肌。触ってみてェ、キッドは無意識に思った。
そしてもう少しでいけないとこまで見えそうになっているのをスカートでかろうじて守られてる現状。そして時折聞こえる「ん…」という寝息。

こんな現場、普通の男ならばたちまち理性は崩壊して狼に激変してしまう所だろう。

しかしキッドは狼になるどころか、目のやり場に困るとなまえに布団を掛けてやったのだ。それは恥ずかしさからであって、決して嫌悪感からではない

キッドに下心がないと言えばだいぶ嘘になる。何故ならキッドの理性は現に今、細い糸でやっとギリギリ保たれているくらいなのだ。本当なら、こんなチャンスをものにしない手はない。しかしそれ以上になまえに無闇に手を出したくないという気持ちがキッドの中に芽生えてしまったのだ。その気持ちの名前をキッドはまだ理解していなかった。






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