なまえは参考になったのかありがとうございます、とお辞儀をした。が、頭を動かしたからか、激痛が走り、つっ…!と表情をひどく歪ませた。キッドは少しばかりふらついたなまえを支え、「もう寝ろ」と労りの声を掛けた。少し意識が朦朧とした中で、なまえは、最後にっ…とキッドの目を見た。

「今、恋は、してるんですか…?」

「……。…、もう寝ろ。体に毒だ」

はぐらかす様に、視線を外したキッドに、失礼なことを聞いてしまったと後悔したなまえ。

「すみません、なんだか熱に浮かされてるみたいです…ちょっと休ませて頂きますね、」

なまえは申し訳なさそうに謝罪の意を述べ、眠気に身を任せベッドに入ろうとしたのだが

次のキッドの言葉がそれを中断させた。

「、してる」

「え?」

「恋、してんだよ」

あまりにも真っ直ぐなその視線に誰に?、とは聞けなかった。
いや、聞いてはいけないような気がした。

視界が歪む

なまえは襲ってきた睡魔に勝てず、何も答えることが出来ないまま、睡魔に身を委ねた。


恋、とは一人でするものだ


「らしくねぇ、おれ…」

ポツリと呟かれた言葉。寝ているなまえの頬を、さらりと片手で撫でる。無防備なとこが危ねぇんだよ、馬鹿、と胸中で思う。そんな時「来〜る♪きっと来る〜きっと来る〜♪」と部屋中に響き渡ったなまえの携帯に、

なんだか嫌な予感しかしないも、キッドは手を伸ばした。

 

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