なにはともあれ早退という形を取らせて頂いたわたし。なんだか勝ち組、なんて意味の分からない気分の高揚にふふんと鼻で笑い、靴を履き替えるが、思う様に動かないわたしの体。

あれ?前に屈もうにも徐々に後ろに傾いてしまうわたしの体?ぼけーとするわたしの頭。

ああこれはもしかして……後ろに倒れ…

地面に着地かと思いきやボフッとした感触が頭にあたる。あれ?と思い上を見るとそこには、

「おそよう…キッドさん」

「あぁ、って何やってんだおまえ…」

呆れた様なキッドさんの視線を上から浴びる。あははって笑いながら鼻水が垂れる。おいおい、だらしねぇぞ、と言いながらティッシュを鼻に突っ込んでくれた。

優しいな、どっかの先輩魔王とは大違いだ。あの人のことだ、おいおれにその汚ならしいのがつくだろ、離れろ、なんて言うだろうな、なんて苦笑いを浮かべる。そしてハッと昨日の出来事が頭を過り、口を紡ぐ。

どうした?、なんてわたしの体勢を建て直してくれるキッドさんに、熱出たみたいなんでげす、とヘラッと笑うと。…重症みたいだなと言われた。

ひどい





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