ちょうどその時「クリーミーコロッケパン発売だよー!」という食堂のおばちゃんの声が高らかに聞こえた。食堂にいた生徒達が歓声をあげながらそちらに走って行く。 「…あ!わたしもこうしちゃいられません!助けて貰ったお礼にクリーミーコロッケパンをプレゼントしますよ!」 でわ行って来ます!なんて走って行くなまえの後ろ姿を見てフッと笑ったキッド。おまえが食べたいんじゃねぇのかよ、なんて呟きながらなまえが向かった方に歩いて行く。 人混みに近づいてみると案の定なまえが必死にパンを取ろうと頑張っていた。なるほど除外されている。 キッドはズカズカと人混みの中に入って行くとキッドの存在に気づいたのであろう生徒達が急いで道を開けた。恐怖の色を顔に浮かべて。 そのお陰でキッドの周りにはすっかり人がいなくなり、クリーミーコロッケパンをすんなり購入することができた。 そしてそのままなまえのそばまで行き「ほらよ」なんて言ってなまえの頭にクリーミーコロッケパンをポフッと乗せた。周りの視線が痛い。 「え…でもこれ…」とキッドの行動にびっくりして固まるなまえ。 するとキッドは「やる」と言って背を向け歩いて行ってしまった。 え…!?あ…!…う!と焦り出すなまえ。焦っている間にもその背中が遠ざかって行く。 「あ、ありがとうございます!」 お礼を言わなきゃと声を張り上げその背中に叫んだなまえ。キッドは背を向けたまま手をヒラヒラと降った。なまえはキッドの優しさに微笑んだ。やっぱり優しい人だ、と。 場の雰囲気に浸っていると、この空気を根元からぶち壊すほどのヘッドロックをかけてきたキューピーがいた。 → |