その律儀さに何だか歯痒くなり、「別に…当たり前のことをしただけだ」となまえから顔を背け言うキッド。そんなキッドを見て、照れているのだとなまえは分かった。なんだ、思ったほど悪い人じゃないや、とえへへ、と笑うなまえ。なんだか癪だったのでキッドは「…笑うなよっ」と言いながらなまえの額にデコピンをしてやった。小さな抵抗だ。

あぁ、なんかいい感じだ、。キッドは今だにくすくす笑っているなまえを見てフッと笑った。

その時、ゲキョンという音が後ろからした。ゲキョン?キッドとなまえは聞いたこともない様な音がした方を向く。そこには血相を変えて息切れをしているトラファルガーがいた。そして音の原因になったのだろう、ドアの取っ手がかわいそうなことになっている。チッと舌打ちをしたキッド。

するとトラファルガーはズンズンとキッド達のほうに向かってくる。そしてキッドの胸ぐらをガシッと掴み、恐ろしい剣幕をしたトラファルガー。こんなトラファルガー先輩、見たことない!となまえはびっくりしたが、命の恩人が危ない!と二人の間の仲裁に入った。

「待ってくださいトラファルガー先輩!」

なまえはキッドを庇うように前に出た。そのことにトラファルガーは機嫌を悪くし眉間に皺を寄せた。そのことはお構いなしになまえは口を開いた。

「…この人はわたしをチンピラから助けてくれた自称彼氏なんです!」

空気を読め。キッドは苦笑した。トラファルガーの眉間の皺が増え、更に悪化したのが分かった。






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -