どんな鉄拳が飛んでくるかと目を瞑り待ち構えていると、聞こえてきたのは「くっ…く…!」とくぐもった笑い声。

疑問に思い目の前の人物を片目を開けて盗み見る。すると両手で腹を抱えてなんとか笑いをこらえているトラファルガー・ローがいた。怒りすぎて我を忘れたのか?なんだかもう、全てが末恐ろしく感じたなまえ。

「おまえ、名前は?」

「…みょうじです。」

違う。名前だ

「なまえです…!!」

ちょっとした抵抗も無意味に終わった。眼力でチビると思った。
ていうか人に名前を聞くならまず自分から名乗るでしょ?なんて思うが言えない。言える訳ない。わたし案外図太い神経してるじゃない!となまえは思った。もう気分はどうにでもなれな気分になっていた。

「気に入った。なまえ、またな」

フッと不敵な笑みを残し、去っていくトラファルガー先輩。あっけにとられるなまえはその後ろ姿を見届けるしかなかった。

鉄拳やローキック(名前だけに)やリンチの何かしらはあると思っていたなまえ。何もなかった(いきなり呼び捨てされたくらい)。なんだ思ったより怖い人じゃなかったなぁなんて安心する。ホッと一息ついて足元をみる。 鍵忘れてんだけど


偶然なのか必然なのか

(まさかあんなキッカケであの先輩とこんなに仲良くなるなんてなぁ。)

(…なまえ!!おいなまえ!!聞いてるのか!廊下に立っとれ!)

(はっ…!はい!ってえ゛ー!?)


 

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