一個上の先輩であるトラファルガー先輩はこの容姿や風貌からか影では不良でものすごい問題児だという噂が学校中に流れている有名人だ。

なまえはと言うと平々凡々に日々を過ごし、平々凡々な高校生活を送っていた平々凡々な女の子だ。たまにやっちゃった問題を起こすくらいで少し先生や周りからは曰く付きの人物だと思われているだけだ。

実際共通点も何もなく関わらないであろうと思っていたがまさかのまさかでここまで仲良くなったトラファルガーとなまえの出逢いは、なまえが偶然図書室の前に落ちていた鍵を拾ったことがキッカケだ。

その鍵には綺麗な字でトラファルガーと書かれていた。この名前は学校にいる者なら知らない者はいないというくらい有名だ。泣かせた(鳴かせた)女は数知れず、病院送りは数知れずとの噂を聞いた日には、生涯関わらないで生きて行こうとなまえは誓ったくらいだ。

そんな人物の持ち物を拾ってしまったのだ。なまえは迷った。わたしの中の正義と悪が闘っている。

正義論は"もしかしたら今血眼になってこの鍵を捜しているかもしれない"で悪論は"安全第一、そして図書室で見つけた『ケリー・カッター〜勇気の石〜』まさにあの超有名な本を明らかパクッたであろう本には何が書いてあるのか気になるから早く帰って読みたい"だ。




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