はぁはぁ、はぁ。

熱い。苦しい。でも走ることをやめようなんて思わなかった。無我夢中だった。嫌われただのケンカしてるだのどうでもいい、ただ一刻も早く先輩に会いたかった。

「ばかだ…!」

そう本当馬鹿な先輩だ。どうでもいい時ほど無駄にちょっかい出してくるくせに、なんで、こういう、大切な時に頼ってくれないの…!いつもわたしは何かと助けられているっていうのに…こんなの不公平だ。わたしは、そんなに信用がないのか。そんなに頼りがいがないのか。先輩の、そういう所が嫌いだ。飄々とわたしのことには首を突っ込んでくるくせに自分のことは教えてくれない。わたしは先輩のことなんにも知らない。

「ばかだ…!」

そう、そんな嫌いな先輩に必死に全速力で会いに行っているわたしは馬鹿以外の何者でもない。先輩に会ったら一発殴ろう。そう心に決め、走った。

しかしここで言っておかなければならないことがある

あれおかしい道に迷った


無我夢中ですが
なにか?



(ん、待てよ…この場所…?ま、まさかここは…!)

(知らない道だ!)



 

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