「ルシウス先輩、ルシウス先輩」


背の小さい少女がピョコピョコと青年の後ろを少し速く歩いていた
少女、ルシーはグリフィンドール生である
ルシウス先輩と呼ばれた彼はスリザリン生

グリフィンドールとスリザリンは犬猿の仲であるのが有名だがその中でルシーは異例であった

ルシーはルシウスを慕っているのだ
理由は判明していないが気がついたら後ろをよく歩いていた



「ルシウス先輩」


何度も呼び掛けた
何回目かの呼び掛けにピタリとルシウスは止まりため息をつきながら後ろを振り向いた
そこにはニッコリと愛らしく笑うルシーの姿


「今日は何の用だ?」


頭を押さえながら聞いた


「ルシウス先輩、しゃがんでくれませんか?」


質問を質問で返されてしまったがルシウスはルシーに言われた通りにしゃがんだ
「目を瞑っててください」と言われ目を瞑った
ルシウスはなにかの悪戯かと思った
ルシーは悪戯仕掛け人であるジェームズたちと仲良くしているからふと思ったのだ



「一体、どうしたというんだルシー嬢」
「待ってください……よし目を開けていいですよ」



目を開けると目の前にはニッコリと笑うルシーの姿
ただ、さっきと違っているのは手に鏡を持っていた
ルシウスの前に鏡を突きだすと右の横髪に一輪のバラがあった
そのバラはルシウスの銀髪を映えさせていた


「今日、温室でバラが咲いたんです。私、このバラはルシウス先輩に似合うだろうなって思って…」


嬉しそうに笑うルシーを見てルシウスの口元が少しだけ上がった
ポンとルシーの頭を撫でた


「感謝するぞ…ルシー」


「えへへ、大好きです先輩!!」




綺麗なバラを貴方に贈ります…




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