ある日のことシリウスブラックはある屋敷の庭に迷い込んだ

屋敷の庭はお世辞にも綺麗と言えず草はあちらこちらと生えていた
噴水の水は出ずただ溜まっている


シリウスは魔法省から逃れているためこの屋敷に身を潜めた


中も庭と同じ綺麗とは言えなかった
埃が溜まりクモの巣もあった

長年使われていない屋敷だ

シリウスはそう思った

今は夜ということで階段を上がり近くにある部屋に入った



「っ!!!」



シリウスが見たのは一人の幼い少女とその両親の


死体だった


死体は白骨化に成りかけていた
シリウスはこの光景に口を押さえた

少女は顔をシリウスに向けた


「おじちゃんは誰?」


幼いソプラノの声が部屋に響く


「私はシリウスだ。お嬢さんの名前は?」


シリウスは尋ねた
少女は柔らかい笑顔で「ルシー」と答えた


「ねぇパパ、ママ…久しぶりのお客様だよ

シリウスおじちゃんだよ」



ルシーは近くに横たわっている死体に言った


「ルシー君の両親かい?」


シリウスは声を震わせながらも聞いた


「そうだよ。私のパパとママ
パパはね優しくてね頼りになるパパなんだよ
ママも優しくてたまに厳しいけど大好きなママなのよ」


ルシーは母親の遺体を撫でた

シリウスはある物に気がついた


「その手にしたのはなんだ?」


そうルシーの手には枯れた赤い花が握られていた


「これは日本の花なの…。綺麗だよね
名前は確か…彼岸花っていうの」


彼岸花は本来の美しさが欠け醜い花となっている


「そうなのか…。では私はそろそろ帰ろうかな」


シリウスは帰りたかったのだ
ここに居たら危険だと察知した

ルシーは残念そうな顔をした


「そっか…ねぇシリウスおじちゃんまた来てくれる?」


言葉が詰まった
こんな少女を気味悪がって屋敷から出るはずが逆にこの少女をなんとかしてあげたいと思ってしまった

しかしシリウスは首を縦には降らなかった


「私は忙しいからもう君には会えないよ」

「そっかなら仕方ないね
バイバイシリウスおじちゃん」


こうしてシリウスは屋敷から出た



翌日、預言者新聞で記事に


【ルシー・アルベインの遺体が白骨として見つかる!!】


そう書かれていた

そのことをシリウスは近い未来知ることになる





少女の屋敷
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