いわしかしまし きびだんごを貰った。 「鬼退治には行かないよ?」 「竹中ちゃんが桃太郎でいいから」 「そういう問題じゃなくてさ」 鬼は鋭い目付きで佐助を睨んでいる。何があったかは知らないけれど、この分だと佐助が悪いようだ。 「わざわざきびだんごを買ってきたの?その労力を他に回せばいいのに」 「いや、うん、うん、まあね」 挙動の怪しい猿をとっちめると、鬼の眼帯にきびだんごを挟んだそうな。 何故って、幸村がそうやって遊んだ際に政宗は笑ってくれたそうだからだ。 「君、長曽我部くんとそんなに親密な仲だったっけ」 「テンションが上がっちゃって…、tensionが」 「政宗くん風に言い直したってどうにもならないよ」 鬼ヶ島はだんだん近付いてくる。島が動いたら学会ものだが、この孤島は腕を伸ばしたり足を動かしたりできる孤島である。 とうとう佐助の首に腕が回った。噴火寸前とはまさにこのことを言うのだろう。 「せめて豆にしておくべきだった」 「君には鰯の頭が必要なんじゃないかな」 鬼は外、をやろうにも、鬼は外へ佐助を連れ出してしまった。 福は内、入ってきたのは佐助の絶叫で、半兵衛はきびだんごを食べながら扉を閉めた。 |