電池が消耗しています 「腹減った」 とうとう小平太が止まった。もう一歩も動くつもりはないらしい。柔らかな土に鼻を擦り付け、四郎兵衛の足を掴んだ。 「腹減った、四郎兵衛」 「そうですね」 それはそうなのだが、足を掴まれているので動きようがない。もし手を離してくれたら、ふきのとうくらいは取りにいけるかもしれない。 「腹減ったなあ」 「そうですね…」 いつの間にか二人仰向けで、空を見上げてあれこれ話している。明日の学食、三日後から始まる期末試験、まだ上手く手裏剣を投げれないこと。 「旨い飯を食いたい」 「だったら、もう山へ入るのは止めましょう」 裏庭で迷子になって、四日経つ。 |