お題 | ナノ
オール・アバウト・ユー
「今日は一日三郎の真似をしよう」
「そりゃあけったいな」
布団から起き上がったかとおもえばこれだ。他に言うことはないのか。例えば、おはよう、とか。
それから彼は完璧に「鉢屋三郎」を演じた。変装があまり上手でなくても、普段から不破雷蔵を借りているのだから構わない。
「今日は三郎が二人いるようだ」
八左ヱ門は頭を抱え、どちらと組むでもなく、一人で実習に行ってしまった。
「本当は雷蔵が二人、なのにな」
にこっと笑う瞳が揺らめく。
飲み込まれる、そう、感じた。
第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -