お題 | ナノ

こぼれて水たまり


落としたのが水たまりでよかった、とタカ丸は胸を撫で下ろした。
黒い黒い水たまり、飛び越して青い空。

「いいはずないでしょう」
「やっぱり?」

三郎次はぐだぐだになった火薬に指を突っ込み、眉を潜める。
伊助が大爆発させた量よりは少ないか。三郎次とタカ丸、二つに分けてよかった。

「ねえ、三郎次くん」
「何ですか」
「三郎次くんの分持つからさ、一緒に謝ってくれない?」
「これは自分が持ちます」

あからさまにがっかりの四年の背中を叩き、しっかりと火薬の入った壷を持ち直した。

「そして、一緒に謝りましょう」