お題 | ナノ

100回目の愛の言葉


仕える主人がいる。
しかし傭兵も続ける。
金だけが貯まっていく。
何故金を貯めるのか、忘れてしまいそうになる。

「卿、これが最後の依頼だ」

傭兵の主人は、今までの賃金の二倍を出す、と頷いた。
最後、と言ったので、これを機に本当の主人の元へ帰ろう、そうして、この金を渡そう。
そのために金を貯めていたことを、今やっと思い出した。

「北条家を潰せ」

殲滅、殲滅。
傭兵の主人は笑った。
小太郎は、いつもの顔で頷いた。

前金を受け取り、頷いた。
この金を片手に、あの老人の手を引き、どこまでも逃げていこう。
言葉がなくとも、老人ならば分かってくれるはずだ。