お題 | ナノ

酸素は奪わせない


「おやおや、信長公はいらっしゃらないようですね」
「ええ、そうよ」

思えば、光秀は朝からおかしかった。
誰か、濃姫の他に気付いた人はいただろうか。

「何の用かしら」
「用なんて、ありません」

濃姫は気付いてしまった。
信長には隠れてもらった。

「ではその松明は何?」

せめて信長の周りの空気は、綺麗であってほしい。
大きく息を吸い込み、濃姫は銃に手をかけた。