お題 | ナノ

さよならヒーロー


「別れてしまって寂しゅうございます」
「そんな、今生の別れじゃねえんだから」

クラス分けが貼り出され、自分の次に確認した名前は遥か彼方。
理系と文系の隔たりは大きすぎる、というより何故文系に進むことを教えてくれなかったのか。

「政宗殿は理系だと思っておりました」
「頭の出来が違うんだよ、頭の出来が」
「政宗殿のいない体育など、つまりませぬ」
「文理合同だから、chanceはあるだろうが。そんな顔すんな、うざい」
「うっ、うざいとは何でござるか!」

彼は楽しそうに笑い、幸村の背中を叩いた。
今生の別れではない、と背中の痛みが教えてくれる。

「教科書を借りに来いよ、バレーボールのヒーローさん」
「そうでござるな、マット運動のヒーロー殿」