お題 | ナノ

初恋の定義はスイートビター


「解せぬ」

元就の不機嫌は今に始まったことではないので、元親は構わずゲームを続ける。
レベル上げをしてからジムリーダー戦へ行くのは時間の無駄である、とかそういうのであろう。
たとえ相性で楽に勝てるとしても、元親は現メンバーを動かす気はない。

「貴様、いつからそうなった」
「昔からこうだろ。まあ確かにタマゴ制度ができてからレベル上げなくても強くなったけど」
「ゲームの話ではない、貴様の話だ」
「昔からゲーム好きだけど」
「白い肌!」

元就はヒステリックに立ち上がり、そこらへんに落ちているファミリーパックのチョコレートを引っ張り出した。

「白いのは髪だろが」
「もう良いわ、貴様と話していると頭が…む、このチョコレート、苦いな」
「悪い、甘いの全部食べちまった」

怒られるかと思ったが、元就は意気消沈した顔で、帰る、とだけ言った。
何を言いたかったか全く分からないが、とりあえずノーマルタイプだけではかなり苦戦することが分かった。