お題 | ナノ

世界はいつも、美しくあって希望を与えずに


綺麗な映画だったよ、と佐助は言った。
突然学校を休んだと思ったら、午後には来て平気な顔をしている。

「だったら何故そんな不機嫌な顔をしている」
「綺麗なだけだった」

何も響いてこなかった、と佐助は言いたかったのだろう。
チャイムにかき消され、佐助は頭を掻いた。

授業が終わった後、何の映画を観たのか聞いた。
忘れた、と佐助は笑った。