お題 | ナノ

がんばるからがんばって


暑いから学校に行かない、とメールが来た。
発表の五分前に。
二人でやった課題の発表なのに。

慌ててメールを返す。
いや、電話の方が速いか。

「出たら倒れるよ」
「学校のが涼しいって」
「じゃあ頑張って学校に行くから、慶次くんは頑張って発表していて。運がよければ間に合うはずだ」
「いやいや、ちょっと!…あ、切れた」

二人でやった課題なのに、と怒る権利は慶次にはない。
課題のほとんどを半兵衛がやり、パワーポイントもレジュメも半兵衛が作った。
発表は慶次に任せられたが、内容が難しすぎて分からない。
一応隣に立って耳打ち程度なら、と決めた。

慶次は運がよくないので、半兵衛が学校に着く頃には灰になっていた。