お題 | ナノ

うそから始まる本当


「お前が特待生になったら何でもしてやるよ」

学年に二人だけ選ばれる特待生を目指している、と半兵衛は語った。
そうしてその金で秀吉とねねを誘ってどこかへ旅行する、と。

「嘘つきは針千本だからね、慶次くん」

最近半兵衛は勉強よりも針を集めるのに執心している。
慶次はアルバイトを増やし、車の運転を練習し直している。

旅行の足となって旅費を払ったら、針千本は許してくれるだろうか。