ショート・ショート 「ショートケーキ二つ、ドリンクは、ホットコーヒーと」 「えっと…紅茶で」 前回は慶次たちと賑やかな時間を過ごした喫茶店で、今日は二人きり。 ショートケーキが美味しいと聞いたので、休日に時間を取って待ち合わせた。 ショートケーキにフォークを刺し、口へ運ぶ仕草が美しい。 図書館で向かい合わせ、それと同じくらいの距離なのに、何故かいつもより心臓が速い。 「美味しかったわ、また来ましょうね」 「あ、ああ…」 これを口実に何度も何度も待ち合わせを重ねる。 いつか図書館も忘れて、二人、隣で。 |