お題 | ナノ

ほんのり染まる


クラスTシャツとブラウスを一緒に洗ったのは失敗だった。
ほんのりピンク色のブラウスができてしまった。
仕方ないのでとりあえずそれを着て登校すると、クラスの大部分が同じような状態になっていたので安心した。

「前田!何だその色は!制服の改造は悪だぞ!」

長政だけは真っ白なワイシャツ。
逆に浮いていて不思議な感覚。

「市も悪ね…」
「い、市!貴様もか!」

クラス中を見回して、長政は困ったように瞳を泳がせる。
こんなに真っ白でいるのが、むしろ恥ずかしくなってくる。

「もしや、悪は私か!」

ワイシャツの代わりに顔が染まり、長政は白いワイシャツを少し呪った。