お題 | ナノ

ローテンション・ガール


テストの結果が思わしくないということは、休み時間の表情ですぐに分かった。

「まだ一教科だけだし」
「……」
「得意の古典で巻き返せばいいじゃん」
「……」
「五限に体育もあるしさ」
「……」
「…小太郎も慰めてやってよ」
「……」
「……」
「……」

一体どれが誰の「……」か分からない。
せっかく久しぶりに数学でいい点を取れたのに、おちおち自慢もできやしない。
佐助は自分の答案を後ろ手に隠し、大きなため息をついた。