お題 | ナノ

曖昧な日曜日に


毎週末には二人で遊びに出かけた。
天気が良ければ遊園地や動物園、悪ければボーリングや映画。
雪の日には二人でかまくらを作り、真夏には海で泳いだ。

いつきは机に向かい、一人の週末を過ごす。
カーテンを閉めて、政宗の車が見えないよう、天気が分からないよう。

「こういうの、自業自得って言うんだべか」

どうにも集中できないので、天井を見上げたり水を飲んだり、どうにかこうにかしようと試みるも、外の様子が気になって仕方ない。
晴れていれば遊園地や動物園、白クマの赤ちゃんが公開されたらしい、とか。
雨だったらボーリングや映画、そういえば新しい映画、政宗が気にしていた、とか。

「こういう時に、迎えに来てくれるのが王子様、なんだろうな」

カーテンを開ければ、きっと政宗が待っている。
いつものエンジン音が、曇り空に響いている。