お題 | ナノ

ラスト・ソング・エンデバー


高校受験は狭く険しい。
こんなに遊んでばかりではいられない。

「政宗みたいな楽しい学生生活を、おらも送りてえからな」
「だから、会わない、か」

いつきは頷く。
政宗といては甘えてしまう。
今日も何から何まで支払ってもらって、今はサービスエリアでアイスをつまんでいる。
今日の車内での態度の悪さなら、どこでほっぽりだされてもおかしくないというのに。

「応援してくれるか?」
「さあな」
「政宗が応援してくれたら、百人力だべ」
「…会わないのに、cheerなんかできるか」

政宗はひん曲がった口を更に曲げ、とうとうそっぽを向いてしまった。