そんなこんなで巡る日々 「勉強しなきゃいけねえからな」 時刻は午後6時、夕日が眩しく車内を照らしている。 会わないと宣告してから3時間、いつきは沈黙を守り抜いた。 イライラと爪を噛んだり暴言を吐く歌をでたらめに歌っていた政宗は、渋滞と共に肩を落とした。 「な、びっくりしたか?びっくりしたか?」 「…馬鹿野郎」 ハンドルから離れた手が、助手席のいつきへ向かう。 あまりにもおいたが過ぎたので叩かれるのかと思って身をすくめたが、感触はひどく温かかった。 頬を撫でる、シャチのように。 「冗談言うんじゃねえよ」 そして、むいっと掴まれた。 |