芥が集まり千羽となる 蘭丸は気を張っていたのか、家に着くとすぐに眠ってしまった。 歯を磨けだの風呂に入れだのを口うるさく叱ってもしようがないので、肌掛けを一枚被せてやった。 まだ、祭りの音が聞こえる。 呼ばれている、気がした。 「また賞品を使って遊んでいるのね」 「心外ですね、これは私の私物です」 履き慣れた方に換えると、数倍速く歩けるような気がするほど、足取りは軽い。 「帰蝶もいかがですか、鶴なら折れるでしょう」 「いらないわ。それよりあなた、何か食べたの?ずっとそこにいるけど」 「いいえ」 ほら、呼ばれている。 焼きそばにしようか、たこ焼きにしようか、二人で手を繋いで、会場を歩き回った日を思い出す。 |